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山口組分裂騒動

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使用制限を示す「標章」が貼られた山口組総本部=神戸市灘区篠原本町4
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使用制限を示す「標章」が貼られた山口組総本部=神戸市灘区篠原本町4

 兵庫県公安委員会が、指定暴力団の山口組と神戸山口組の事務所など県内11カ所を対象に、使用を制限する本命令を出してから22日で1週間がたった。制限期間は来年2月14日までで、期限は繰り返し延長できる。今年は神戸市内で抗争事件が相次ぎ、不安を募らせる住民は、使用制限による組織の弱体化を期待する一方、潜在化を懸念する声も上がる。

 神戸市中央区にある神戸山口組の本部事務所。付近の住民によると、使用制限の仮命令が出た10月11日以降、組員の姿は見掛けなくなったという。だが、すぐ前の駐車場にパトカーが止まり、中から警察官が目を光らせ、物々しい光景が広がる。

 同事務所前では7月、住民らが暴力団追放パレードを初めて実施した。企画者の男性は「地域にとけ込まれる前に追放運動を活性化させたかった」と話す。

 今年になって組員が住民と雑談する姿が増え、男性は危機感を覚えたという。「もし組員から土産物をもらえば『(事務所があっても)大丈夫だろう』という空気が生まれかねない。その前に住民一体の追放運動をしたかった」

 市内では4月、神戸山口組系組幹部が路上で刺され、8月には山口組系組員が撃たれる事件が発生。10月には神戸山口組系組員2人が射殺された。男性は「私たちが住む地域でいつ発砲が起きてもおかしくなく、怖かった」。使用制限について「組員が街から消えてもらう契機に」と期待する。

 一方、使用制限の効果を冷静に見る住民もいる。

 同市灘区にある山口組総本部に対する暴追パレードに、長年参加してきた男性は「『部屋住み』の組員は残ったまま。暴力団のアジトは簡単になくならないと思う」と不安を募らせる。

2019/11/22

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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