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山口組分裂騒動

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山口組分裂を受け、淡路市で5年ぶりに開かれた暴力団追放決起大会。神戸山口組系「〓(4FE0)友会」に撤退を求めた=10月31日、淡路市志筑
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山口組分裂を受け、淡路市で5年ぶりに開かれた暴力団追放決起大会。神戸山口組系「〓(4FE0)友会」に撤退を求めた=10月31日、淡路市志筑
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 「40歳未満の層の減少が顕著」「高齢化が進んでいる」。今年7月発行の警察白書が暴力団の現状をこう分析する。

 国内の暴力団構成員は2014年末時点で約2万2300人、05年からほぼ半減。背景には11年までに全都道府県で施行された暴力団排除条例がある。企業や市民に暴力団との関係を絶つ責務を課し、用心棒代や公共工事を資金源の一部としてきた暴力団を追い込む。

 「若い組員が減り、新しいシノギ(資金獲得活動)を生む力も失われている」。暴力団を長年取材するジャーナリスト溝口敦(あつし)さん(73)が指摘する。山口組から分裂した神戸山口組には「組員が数人だけ」の直系団体もあると捜査員はいう。

 今秋、大麻を営利目的で栽培した疑いで兵庫県警に逮捕された神戸山口組系組員(56)は「シノギがなく、組のために何とかしたかった」と供述し、組織の苦しい台所事情を明らかにした。

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 「組を抜けて人生をやり直したい」。昨年末、兵庫県や県警、企業でつくる「暴力団追放兵庫県民センター」に組員から相談メールが届いた。組員はセンターの支援で組織を離れ、定職に就いた。

 全国では14年までの10年間に警察などの支援で約6千人が脱退。就労や経済的な自立に結びつけるため、受け入れ協力企業を増やす取り組みや、県境を越えて支援者が情報共有する試みも進む。

 姫路市のNPO法人「五仁會(ごじんかい)」は12年から脱退と就労の支援に取り組む。代表の竹垣悟さん(64)は元山口組系組員。10年前に離脱した自身の経験を踏まえ「大事なのは本人の強い気持ちだ。分裂した今こそ脱退のチャンス」と力を込める。

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 暴力団の退潮傾向が続く中、二つの山口組の行く末は-。「来年あたりには双方の勢力が拮抗(きっこう)し、ひと騒動あるかもしれない。けれども抗争になれば互いに力を弱め合い、さらに衰退は早まる」と溝口さん。山口組結成100年の節目に起きた分裂劇を「山口組の歴史の終わりを意味するかもしれない」と評した。=おわり=

2015/12/22