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店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史) 店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史)
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店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史)

店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史)

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店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史) 店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史)

店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史)

店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史)

  • 店主が選んだ漫画約2000冊が並ぶ「ホシノヒトミ」=神戸市灘区高羽町2(撮影・吉田敦史)
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 10畳ほどのこぢんまりとした空間に、約2000冊の漫画と、いくつかの1人掛けソファ。神戸市灘区の阪急六甲駅近くで月に数日だけオープンする小さな漫画喫茶「ホシノヒトミ」だ。店主は元警察官の女性(45)。警部補まで務めたものの「中年の危機」を感じて退職し、いまは丹波地域のコミュニティーFM局など複数の職場を掛け持ちする。本業を持たない生き方を選択した彼女は「安定したくない」と言い切る。

 -店名はご自身のお名前から?

 違いますが、私の名前は明かせないので、そういうことにしておきましょう(笑)。少女漫画の登場人物って、目がキラキラしてますよね。それで「星の瞳」です。

 -なにか訳ありな感じが…。

 警察の元同僚に知られたくなくて。当時は無理に強く振る舞っていたこともあって、「きつい」「怖い」と言われていました。漫画はずっと好きだったけど、警察官でサブカルチャーを理解してくれる人は少ないですから、あまり表には出しませんでした。あ、でも、警察学校は私物の持ち込みは禁止なのに、漫画をロッカーに入れていて、点検で見つかって、みんなに連帯責任を負わせたことも(苦笑)。

 -警部補にまでなったのに、どうして辞めちゃったんですか。

 大学は法学部に進んだので、法律に関わる仕事に就こうと。読書が好きで、物書きになりたい気持ちもあったので、警察の経験はそのときに役に立つとも考えました。刑事課、鑑識課、生活安全課など、どの職場でも精いっぱいの力を出し尽くしました。したいことはほぼできたし、もうそんなにやりたいことがなくなったとき、このまま定年まで過ごすのか、という「中年の危機」に直面しました。そんな頃、父が重い病気で介護が必要になり、友人が始める出版社に誘われたことも重なって、退職しました。

 -その後のお仕事は?

 友人の出版社ではグルメ雑誌の取材などを担当しました。楽しかったのですが、警察官を辞めたのに、また一つのことを一生懸命することに疑問を抱きました。失敗できるうちはいろいろ試してみたい。安定したくないし、自分を飽きさせたくない。お金にはならなくても、時間を楽しみたい。そう考えて、コミュニティーFM「805たんば」(丹波市)や、古民家を活用してまちおこしする一般社団法人「NOTE(ノオト)」(丹波篠山市)の仕事をしています。古物商の許可を取り、古道具の売買も。一つ一つはお小遣い程度の収入でも、かき集めれば生きていけるかと。

 -漫画喫茶はどんな思いで?

 小学生の頃、娯楽は漫画ぐらいでした。友達の少なかった私が、他の人と共感し合えるアイテムでもありました。みんな大人になると徐々に漫画を読まなくなるけど、私は読み続け、大島弓子さんの作品に出合いました。ヒーローやヒロイン物にはない魅力を描いた世界です。「これは私だ! 私のことを描いてくれている」と感じました。同質性というか、みんな同じがいいとされがちな社会で、変わっててもいいんだと、漫画に教えてもらいました。大人になって、近しい人に相談しても分かってもらえない悩みの答えが、漫画の中にあったことも。この店は、そんな私がいいと思った約1000冊で、2018年3月にオープンしました。漫画好き同士がつながり、情報交換できる場所でもあり、お客さんに薦められた作品などで約2000冊に増えました。週1回程度しか開けられませんが、私にとっても癒やしの場、休憩の日になっています。

 -店のこだわりは?

 漫画は出版サイクルが速い。新しい作品がどんどん世に出る一方で、名作でもマイナーな作品は次々と書店から姿を消してしまいます。古い作品は手に入らなくなり、私も手放したことを後悔している作品があります。この漫画喫茶は、新しいものや流行のものではなく、マイナーだけどいいものや、何度も読み返したくなるものと出合える場所でありたい。「ホシノヒトミなら、あの作品があるかな?」と思ってもらえる「らしさ」を持ち続けたいと思っています。(吉田敦史)

 【小さな漫画喫茶ホシノヒトミ】営業日はインスタグラムなどで告知。午後1~8時。最終入店同6時。最初の1時間600円、15分延長ごとに100円(お茶、菓子付き)。

 ★店主イチ押し:大島弓子/吉野朔実/岩館真理子/榛野なな恵/池辺葵/渡辺ペコ/羽海野チカ/西村しのぶ/くらもちふさこ/いくえみ綾-ほか。

2019/10/25

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