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「在宅医療、在宅看取りの現場から」と題して講演した西村正二医師=加古川市加古川町北在家、神戸新聞東播支社
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「在宅医療、在宅看取りの現場から」と題して講演した西村正二医師=加古川市加古川町北在家、神戸新聞東播支社

 神戸新聞東播支社主催のセミナー「終章を生きる」が9日、兵庫県加古川市加古川町北在家の同支社であった。「安心できる地域ケアを考える会」代表で、西村医院(同市)の西村正二院長(71)が「在宅医療、在宅看取りの現場から」と題して講演。同市の竹裏由佳さん(51)によるエンディングノートの解説もあった。3回に分けて詳報する。

     ◇

 ホスピスケア創始者の医師が提唱した「穏やかな死を迎えるために必要な五つの要素」がある。そのうち「不必要、不適当な検査や治療をしない」というのは、とても大事なことだ。

 しかし、家族が良かれと思ったり、医療者が「このままでは死にますよ」と言ったりして、実際には不必要な処置を受けるケースが多い。家族をケアし、死別の苦しみを支えるには、介護スタッフらのチームワークも求められる。

 がんなどで死期が近づくと死のつらさと向き合うことになる。肉体が滅びることは誰もが知っている。「これでいいんだ」と思えるよう、自分なりに生きた証が残る物語を作ることで救われることもある。人の幸せは、人とのつながりの中にこそある。家族との愛情や周囲の人とのつながりがあれば、穏やかな最期を迎えることができる。

 将来の医療やケアについて、本人の希望を家族、医療・ケアチームと共有するのが「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング)」。最期のことは、いずれ自分で決められなくなる。書面にするよりも、何度も話し合うことが大事だ。

 「代理意思決定者」がいれば、本人の希望を周囲に伝えることをサポートできる。人間は簡単に死なない。状況が変化するたびに本人に寄り添い、意思を決められる仕組み作りが必要になる。

 「人生会議をいつするの?」とよく聞かれる。亡くなる直前は無理だし、あまり早くてもぴんとこない。介護が必要になってきたときが一つのタイミング。死ぬことだけでなく、どんな介護を受けたいかも話し合えばいい。介護が必要になっても、死ぬときに幸せであることを願わない人はいない。幸せに最期を迎えられるために人生会議がある。

 今の大きな問題は、高齢者の療養場所が頻繁に変わり、本人の希望に関する情報が途切れてしまうことだ。情報が散逸しないよう、本人に(情報が)ついて回る仕組みが絶対に必要。代理意思決定者の連絡先も重要な情報になる。

 在宅ケアの現場では、日々、亡くなるまで相談が行われる機会に富んでいる。病院はそうはいかないが、医療よりも生きていくことの方が大事。とにかく繰り返し話し合うことを大切にしてほしい。(まとめ・広岡磨璃)

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