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国土管理について職員が描いた漫画(国土交通省国土政策局提供)
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国土管理について職員が描いた漫画(国土交通省国土政策局提供)

 国土交通省国土政策局総合計画課国土管理企画室(東京都)。その名前から“お役所”感がにじみ出る同企画室が2018年、「マンガでわかる!国土管理~カンタとリコの訪問記」を発表した。「国土管理について広く知ってほしい」と、当時同企画室にいた職員2人を中心に制作。親しみやすい絵が特徴で、1作目では14年の丹波豪雨からの復興を目指す、兵庫県丹波市市島町の谷上、下鴨阪地区の取り組みを紹介している。

 人口減少が進む時代に、国土をいかにして持続的に管理、利用していくのか-。同省では16年、外部の専門家10人からなる「国土管理専門委員会」を立ち上げ、17年から毎年1回、国土管理のあり方について報告をまとめている。

 18年の「とりまとめ」では、地域住民が自ら土地利用、管理を進めている全国39の優良事例を紹介。兵庫県からは、土石流被害を緩和するために竹林や裏山を整備し、山裾と宅地の間に「余裕域」を設ける、谷上、下鴨阪自治会の活動が取り上げられた。

 とりまとめは同省のウェブサイトで公開されているが、文章表現の硬さはいかんともしがたく、同企画室内からも「一般の人が活用しにくいのでは」といった声が上がっていた。「小学校高学年から中学生でも理解できるように、事例を紹介できないか」。職員で検討し、当時、同企画室の専門調査官だった佐藤大祐さん(35)が提案した漫画化の案が採用された。

 しかし、業者に発注すると1枚に約3万円かかってしまう。予算を取る訳にいかず、頭を抱えていた佐藤さんらに、「小学生の時に漫画を描いていた」という、当時係長の渡辺葉子さん(27)が「これぐらいのクオリティーでいいなら描きます」と“立候補”。渡りに船の申し出となり、渡辺さんが絵、佐藤さんがキャラクター設定とシナリオ担当として漫画を作ることになった。

 「兵庫県丹波市編」には、実際のアドバイザー、NPO法人地域再生研究センター(神戸市)の井原友建主任研究員(46)が登場し、主人公のカンタとリコの疑問に、取り組みの利点と今後の課題を交えながら、専門家の視点で回答している。

 「読んだ人が地元で国土管理の取り組みをする際、参考にしやすいよう意識した」という佐藤さん。渡辺さんは自前の黒ボールペンと12色色鉛筆で作画し、パワーポイントで絵とセリフを重ねて漫画にしたという。制作は出退勤前後の時間や昼休みを使い、1作目は約2週間で完成したという。渡辺さんは「佐藤さんがどんどんシナリオを仕上げるので、焦った時期もあった」と苦笑しつつ、「漫画は面白い取り組みだと思ったし、苦ではなかった」と話す。

 漫画は現在、第8弾の「和歌山県田辺市編」まで公開されているが、更新は19年の3月31日で止まっている。渡辺さんが同年4月、佐藤さんは同年7月で別部署に異動になったためだ。渡辺さんは、「私たちも楽しんでやっていたし、強制的にやるものではない。でも、自発的に作ってみたいな、という人が出てくればすてきですね」と話す。

 漫画は国土交通省のウェブサイト(http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/kokudoseisaku_tk3_000096.html)から無料で閲覧できる。(真鍋 愛)

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