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おしゃれやバリアフリーについて朗らかに語る日置有紀さん。ファッションモデルとして車いすで活躍する=丹波篠山市民センター
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おしゃれやバリアフリーについて朗らかに語る日置有紀さん。ファッションモデルとして車いすで活躍する=丹波篠山市民センター

 電動車いすでファッションショーやテレビ番組に出演し、障害者も楽しめる洋服をプロデュース。今秋には映画にも出演-。華やかなロングヘアをなびかせて、多彩に活躍する兵庫県在住のファッションモデル日置有紀さん(30)が、同県丹波篠山市黒岡の市民センターで7日夜、「障がいをもって見えた世界」と題して講演した。「普通の女性と同じように外に出ることで、私たちの存在をありのまま認めてもらえるようになれば」と呼び掛けた。(金 慶順)

 「高校時代まで病気とは無縁だった」と話す日置さんは、専門学校に進学した数カ月後、足に異変を感じた。脊髄の病だった。徐々に自力での歩行が難しくなり、つえでの生活に。最終的には首から下がまひし、寝たきりになった。

 外に出るきっかけは、車いすのウエディングドレスモデルに応募したことだった。後に一般のオーディションを受け、障害者も健常者も関係のない舞台に立った。物理的なサポートはあったが「変な配慮や優遇はなかった」とし、「初めて『車いすモデル』から『モデル』になれた」と感じた。それを「本当のバリアフリー」と呼んだ。

 講演会には明るいメークで登場。不自由な手を固定し、顔を動かす方法で1時間かけて化粧したという。障害者になって見えた社会の「バリア」について会場にいくつかのクイズを投げかけ、それに解答する形で経験や思いを語った。

   ◇    ◇

 つえで生活しているとき、おしゃれで悩まされたことは何でしょう?

 「大好きだったハイヒールを泣く泣く全てゴミ箱に捨てた。まひが進むにつれ足の装具が必要になるが、装具を付けると普通の靴が履けなくなる。専用や介護用の靴は10代が好んで履きたいデザインじゃなくて。おしゃれをしても足元が気になってしまった。つえも当時は黒色などシンプルなものばかりだった」

 身体の介助には「食事」「入浴」などがあるが、そのうち「整容」とはどんなことでしょう?

 「歯磨きやひげそり、洗髪、爪切りなどを指す。衛生面でのケアなのでメークやヘアセットは含まれない。自分自身、当初はぼさぼさのショートカットにすっぴんで過ごしていた。車いすで外出すると介助の機会が多いため、健常者よりも人に見られることが多いのに…。近年はメークを担うボランティア団体なども増えている。あきらめていただけで、おしゃれをしたい障害者は多い」

 「1センチ」と「3センチ」。ここから思い浮かぶ社会のバリアは?

 「1センチは石畳、3センチは車道と歩道の境目ぐらいの段差。車いすで1センチの段差を越えるとき、自動車でタイヤが脱輪して前のめりになるぐらいの衝撃がある。3センチになると普通の動作で越えられない。

 スロープは段差の解消手段だけど、材質によっては滑る。丹波篠山市内のとある城跡を訪ねたとき、スロープが短すぎて越えるのが大変だった。一方で高齢者がスロープをしんどそうに歩く姿も見た。バリアフリーが別のバリアを生んでしまう場合もあって難しい」

 社会にある四つのバリアとは何でしょう?

 「移動を阻む『物理的バリア』。試験などで能力を問わず機会を奪われる『制度的バリア』。発信手段が限られることによる『文化・情報面のバリア』。偏見や差別などの『意識的(心の)バリア』。

 何らかの都合で全てのバリアを解消できなくても、心のバリアフリーで乗り越えられる場合がある。人の優しさでクリアできることは大きい」

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