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調査後に書く報告書。2人は感染者の負担を減らすため、聴取の際には質問内容を整理し直した独自のシートを使う=神戸市役所
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調査後に書く報告書。2人は感染者の負担を減らすため、聴取の際には質問内容を整理し直した独自のシートを使う=神戸市役所
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 新型コロナウイルスの感染者に聞き取り調査を続ける神戸市保健所の女性保健師2人が、神戸新聞社の取材に応じた。聞き取りは感染源を探し、拡大を防ぐ重要な業務。その一方で、感染者の個人情報を守らなければならない。「誰かにうつしてしまったのでは」と自責の念を強める感染者に寄り添い、経路の特定に力を入れる。(霍見真一郎)

 「どの感染者も、自分にうつした誰かを責めるより、自分がうつしたかもしれない誰かを心配している」

 取材時までに感染者3人と向き合った40代と50代の保健師が口をそろえた。仕事をやめないといけないのでは、と涙した人もいたという。しかし、市民の安全のため感染経路にかかわる情報は強く求める。

 保健師は、地域で感染症調査や保健指導などを担う国家資格者。神戸市は各区の保健センターに3~6人計42人配置している。新型コロナへの対応で、こども家庭支援課の保健師計60人も応援態勢を敷く。新たな感染者が判明すると、通常業務を中断して2人一組で聴取する。

 入院先ではマスクと手袋、ガウンを着用し、顔の前面を覆う透明のフィルム「フェースシールド」をする。感染防止のため、個室には家族はもちろん、看護師も必要最低限しか来ない。突然感染を告げられ、戸惑いを隠せない感染者を相手に約1時間聴取する。

 聞き取りの中心は、発症14日前から入院までの行動歴。50代の保健師は「私たちがどこまで信用してもらえるかで、話してもらえる内容が変わってくる」と話す。居住地域など公表する個人情報の範囲でこじれると、接触者や立ち寄り場所など本当に知りたい情報が聞けなくなるため、「本人が拒む内容は、基本的に公表しない」という。

 例えば家族。他人には「娘」や「息子」という表現で匿名性が担保できると思えても、本人の視点では、心配する家族を衆目にさらすように捉える場合がある。40代の保健師は「医学的には娘でも息子でも何も変わらないため、同居者という表現に置き換えることもある」と打ち明ける。

 同市の尾崎明美健康危機管理対策担当課長は「感染者への差別があると、聞くべき情報が引き出せなくなり、濃厚接触者が分からなくなる可能性がある」と懸念する。

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