三田

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先進モビリティ商品開発室部長の釘宮航さん=三田市けやき台1
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 客を乗せたバスが自動運転で、兵庫県三田市のニュータウン「ウッディタウン」を走り始めた。約1カ月の間、この街でどんな実験が繰り広げられるのか。夢のような技術は手の届くところにあるのか。最新技術を関係者に解きほぐしてもらった。5回にわたって紹介する。(高見雄樹)

 バスの自動運転という夢の技術は、いつごろ実用化できるのか。そのための鍵は何か。開発を担う先進モビリティ(東京)社長の青木啓二さん(72)にぶつけてみた。

 -自動運転バスの実用化はいつになりますか。

 「時速30~40キロで、(システムが全ての操縦行為を担う)レベル3とか4なら2030年ごろでしょうか。今の技術の延長で行けば、それぐらいかかると思います。(レーザー光で周囲の様子を認識する)ライダーやカメラの性能が人間の目の能力まで進歩するのか、正直分かりません」

 -10年かかりますか。

 「例えば信号機の色はカメラで認識しています。赤信号と青信号を間違える人はほとんどいませんが、カメラは100回に1回ぐらい間違えます。逆光になると全く認識できません。ブレイクスルー(飛躍的な進化)があればいいんですが。道路側の支援があれば、話は別ですよ」

 -支援ですか。

 「信号機から車に色を教えてもらうのです。現在は機器が高価ですが、携帯電話を使えば低コストになります。信号機のない交差点では、横方向から来る車の情報をカーブミラーのようなもので教えてほしい。三田で実験している磁気マーカーも、道路側の支援に当たります。これらが整備され、路上駐車がないように管理されたら、5年後に実用化できると思います」

 -ぐっと近づきました。

 「技術の進化はもちろん大事ですが、環境整備と組み合わせることが重要です。極力右折のないルートを作るとか、右折があってもレーンを整備するなど、まちづくりとセットなら実現は早まります。今の交通環境に自動運転をパッと入れても、技術が追いつかない気がするんですよね」

 技術開発と環境整備。両輪がうまく転がれば、夢の実用化は近いことが分かった。では実証実験という貴重な機会を、私たちはどのように楽しめばいいのか。自身も大型の運転免許を持つ同社商品開発室部長の釘宮航(くぎみやわたる)さん(35)に聞いた。

 -今回の実験では誰でも乗客として、自動運転バスに乗ることができますね。

 「路線バスの運行に関しては、車内の装備品などを定めた旅客輸送の法律があります。運転手だけのワンマン運転の際には運賃箱を置くことが決められていますが、無人の『ゼロマン』になるとどうすべきか、規定はありません。車掌が必要なのか、車内カメラの映像を誰かが見ていたらいいのか-。どうあるべきか議論の最中ですが、ぜひお客さんとして乗ってみて、市民の視点で考えてほしい。社会実験の意味はそこにあると思っています」

 -街中で自動運転バスとすれ違うこともあります。

 「隣にバスが来たらどうするか-。運転手がいることが当たり前ではなく、いないことを実感してもらえたらと思います。法令で不可能ですが、運転手さんを隠したいぐらいです」

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