三田

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 農家が減って休耕田が増え続ける中、若手を呼び込む独自策として兵庫県三田市が2016年度に始めた「地域おこし協力隊事業」が3月末に終了する。市外出身の2人を隊員に委嘱し、特産物のPRや販路開拓を行ってもらう一方で、1人は任期途中に辞めて市議補選に立候補するという予想外の事態に。事業はどれほどの成果をあげ、課題を残したのだろうか。(山脇未菜美)

 ■人と人をつなぐ

 営農組合の作業を手伝い、農産物の販路を拡大させる。時には商工会と一緒に地元で採れた蜂蜜のPRイベントを企画したり、学生が考案した「母子茶どらやき」の商品化をプランニングしたり。さらには地域の人が集まる「さとカフェ」の運営に携わったり…。

 17年1月から隊員を務める竹岡俊介さん(37)の活動内容だ。市外から小柿の古民家に移住し、畑で野菜をつくり販売も手掛けた。

 市によると、隊員の月報酬は20万8千円。任期は1年ごとに更新し、最長で原則3年間。竹岡さんは三田市にゆかりはなかったが「熱意がある」などと数人の志願者から選ばれた。取り組み自体に評点を付けるのは難しいというが「いろんな人とつながり、三田や農産物の良さを発信してくれた。退任後も関係が切れないように関わってほしい」と前向きに評価する。

 ■立候補止める規定なく

 「野焼き問題の早期解決を図ります」「市内に獣肉施設を建てます」

 19年夏の市議補選。その2年前から上青野で隊員だった宮永幸則さん(32)は突然、任を辞して選挙に臨み、街頭でそんな訴えを繰り広げた。

 市の職員は月1回、隊員から活動を報告してもらい、面談も重ねてきた。男性は直前まで「獣害対策になるニンニクの生産販売に力を入れたい」などと語り、立候補に向けた相談は一度もなかったという。

 結果的に落選。「市の事業が利用されたのではないか」との見方もある中、市農業創造課は「立候補を止める規定はなく、辞めるのも本人の権利」とやり切れなさをにじませた。

 ■20年統計は年末に発表

 同事業はもともと国が09年度に始めたが、三田市は農業規模から支援の対象外に。このため、市は独自に事業を立ち上げた。

 農林水産省によると、15年時点で市内の農家は5年前から208人減の1758戸。うち販売農家で見ると後継者がいる世帯も減っている。農業就業者は727人減の1646人となり、その約7割が65歳以上に。一方で耕作放棄地は1・7倍となり、88・67ヘクタールにまで増えた。

 統計調査は5年に一度、次回は20年中に行うため、事業で農家が増えるなどしていれば年末に判明する。

 任期満了まで隊員を務める竹岡さんは、今後も地域の農業振興などに携わる方針。市は3月末で事業を終えるが、これまでの活動は他の地域にも伝え、農家らの要望があれば同様の施策を実施するかどうか検討する。

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