三田

  • 印刷
目録に「旺盛ナル犠牲的精神、旺盛なる攻撃精神」と書かれた軍事日誌
拡大
目録に「旺盛ナル犠牲的精神、旺盛なる攻撃精神」と書かれた軍事日誌

 兵庫県三田市の女性(90)に、夫が兵隊時代に使っていた「教練日誌」を見せてもらった。縦25センチ、横35センチ。隊員配置や敵を警戒しながらの前進など、手書きの図付きで17ページにわたって書かれていた。習得すべき心構え「徳目」に、目にとまる言葉があった。

 沈着勇敢ニシテ旺盛ナル犠牲的精神 旺盛ナル攻撃精神

 平成生まれの私は学校で「一人一人の命は尊い」と教えられたが、当時は違った。国のため、天皇のために戦地で玉砕した。「犠牲」という文面に、戦争へと突き進むための教育がにじみ出ていた。

 女性は1929年に起きた「世界恐慌」の翌年に生まれた。不況を脱するため、外国に新たな市場を求めた戦争とともに、成長していった。実家はJR篠山口駅近く。そう遠くない場所に陸軍歩兵第70連隊があり、幼い頃から出征する兵隊の見送りに集められ、「万歳」して軍歌を歌った。遺骨が帰った時には、戦死者の自宅玄関に「誉れの家」と書かれた表札が掲げられたという。

 ♪海行かば 水漬く屍

 山行かば 草生す屍

 大君の 辺にこそ死なめ

 「戦争はあかん」と女性は強く話す一方で、天皇の足元で死ぬことを歌った「海行かば」など複数の戦意高揚歌を、すらすらとしゃがれ声で歌ってくれた。幼い頃に植え付ける教育の怖さが見えた。(山脇未菜美)

三田の最新
もっと見る

天気(7月11日)

  • 28℃
  • ---℃
  • 40%

  • 32℃
  • ---℃
  • 50%

  • 29℃
  • ---℃
  • 60%

  • 28℃
  • ---℃
  • 60%

お知らせ