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 インフルエンザの流行期に入り、兵庫県三田市内では集団感染による学級閉鎖が出始めた。感染拡大や重症化を防ぐには予防接種が有効とされるが、1回当たり4千円前後で小学生以下は2回の接種が必要になるなど、家計の負担は重い。兵庫県によると、神戸市や丹波篠山市など県内14市町に独自の子ども向け助成制度があるものの、三田市や阪神間の自治体ではゼロ。同制度の現状を探った。

■任意接種

 「中学3年生までの子どもを対象に、インフルの予防接種費用を助成してほしい」。今月2日の市議会福祉教育常任委員会で、請願書を出した市民団体代表の女性が力を込めた。

 インフルの予防接種は、65歳以上の高齢者などが予防接種法に基づく定期接種の対象となり、一部が公費で負担される。一方、子どもは任意接種とされ、費用は保護者の自己負担となる。

 三田市健康増進課は、これまで独自助成を見送ってきた理由を「国は子どもに(インフルの接種を)勧奨していないのに、助成をすると市が勧奨しているように誤解される」と説明する。市の試算では、接種率6割で年間5500万円が必要になる。厳しい財政事情も判断の背景にある。委員会では議論の末、請願を不採択とした。

 宝塚市も同様の理由で制度がなく、西宮市は「近隣市の動向を見て研究している」とする。

■子育て支援で拡充

 神戸市は今年、子ども向けの助成額を1人1360円から2千円に引き上げた。対象は12歳以下の約15万人で、「子育て世帯の負担を軽くするため」(予防衛生課)と説明する。

 同様の理由で2014年に助成を始めた朝来市も今年、小学生以下の2回目接種を千円から2千円に増額。隣の養父市も今年、対象を従来の小学生以下から中学生に拡大した。「子育て支援の一環」(健康課)として、市民にPRする。

 本年度予算に約670万円を計上し、新たに助成を始めたのはたつの市。医師会の要望もあり、重症化しやすい未就学児約3700人を対象にした。接種率6割を目指すが「助成しても利用者が以前と変わらなければ政策の効果は小さいので、しっかり検証したい」(健康福祉部)と慎重だ。

 数々の子育て支援策を繰り出す明石市は、インフルでは控えめ。対象期間は、導入済みの14市町で最も短い3歳以下にとどまる。

■効果に疑問も

 学級閉鎖の増加を抑え込みたい-。学校医や教育現場からの要望で、11年に助成を始めたのが丹波市だ。県内で最も早く導入した市の一つで、対象は中学生以下の約8千人に上る。

 ただ、18年度の接種率は51・5%にとどまる。11年以降で見ても50%程度で推移しており「学級閉鎖はなくならない。今季も既に2校で発生した」(健康課)という。財政負担の重さから、市役所内で廃止が取り沙汰されることもある。

 一方で、こんな声も。「(インフルになって)病院に行ったらタダなのに、お金を払ってまで予防接種を受けなくてもいい」。子ども医療費を全額補助する県内の自治体担当者は、保護者の発言に驚いたという。

 インフルの流行期は毎年巡ってくる。子どもの感染拡大を防ぐには、大人の理解と行動が欠かせない。(高見雄樹)

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