神戸

  • 印刷
天道教神戸教区の金泰煥さん(左)と話す、京都府立大の川瀬貴也教授=神戸市長田区六番町8
拡大
天道教神戸教区の金泰煥さん(左)と話す、京都府立大の川瀬貴也教授=神戸市長田区六番町8
国内唯一の天道教教会の礼拝の様子=神戸市長田区六番町8
拡大
国内唯一の天道教教会の礼拝の様子=神戸市長田区六番町8

 朝鮮半島の民衆宗教「天道教」の教会が神戸市長田区にあるのをご存じだろうか。専門家によると、日本に残る唯一の天道教の施設で、かつては信者の在日コリアンが韓国・朝鮮語教室を開くなど、独自のコミュニティーを形成してきた。日韓近代宗教史が専門の川瀬貴也・京都府立大教授(48)と、4月の礼拝日に教会を訪ねた。(杉山雅崇)

 川瀬教授によると、朝鮮半島で興った天道教は、1910年の日韓併合以降、日本に伝わり、教会が建てられたという。布教活動には消極的だったとみられ、在日コリアンが多い京都、大阪の拠点は、高齢化などのため、80年代前後に消滅した。

 神戸の教会は、60年代の創設。在日コリアン社会を代表する二つの民族団体、在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の政治的対立を超えて、在日1世たちが資金を出し合った。

 天道教神戸教区監査長で在日2世の金泰(キムテ)煥(ファン)さん(70)によると、教会では語学教室や会合などがよく開かれていたといい、「厳かな教会というよりも、在日のアイデンティティーや仲間の絆を深めるにぎやかな場になっていた」と振り返る。

 最盛期には、毎週日曜の礼拝に50人以上が集まっていたというが、現在は多くても20人程度にとどまる。「平均年齢は70代を超えてるかも分からん」と金さんはため息をつく。

 取材当日に訪れた8人も全員60代以上。新型コロナウイルス感染症予防のため、窓を開け放した教会で、互いに離れて席に着くと、金さんらが韓国・朝鮮語と日本語で交互に読む経典に合わせて、祈りをささげていた。

 「せっかく1世が頑張って建てた教会だし、未来につなぎたい」と金さん。聞き取り調査をした川瀬教授は「在地の宗教施設は、移民などに祖国の伝統文化を伝える役目を持つ。在日コリアンの文化を伝える施設として、神戸の天道教も見直すことができるはずだ」と強調した。

【天道教】李朝末期の1860年に創始された民衆宗教「東学」を前身とする新宗教。人間尊重と万人平等思想を基盤とし、日本の植民地支配に抵抗して1919年に起きた「三・一独立運動」で中心的な役割を果たした。現在、韓国・ソウルに本部を置き、韓国内の信者は約6万5千人。北朝鮮にも一定数の信者が存在するとされる。

神戸の最新
もっと見る

天気(7月7日)

  • 27℃
  • ---℃
  • 70%

  • 29℃
  • ---℃
  • 70%

  • 30℃
  • ---℃
  • 60%

  • 30℃
  • ---℃
  • 60%

お知らせ