「あんこ作りは水が命。水で味が決まる」。和菓子製造販売会社「池田製餡所」(神戸市西区櫨谷町松本)の3代目社長、池田直史さん(44)=同区=が力を込める。
15年前に亡くなった祖父の彦一さんが1950年、同市兵庫区で創業。65年、県内の代表的な湧き水の一つ「松本自噴泉」を求め、現在の場所に工場を移転した。
こしあんには、北海道産の最高級小豆「しゅまり」を使用。厳選小豆と天然水でできたあんこは、奇麗な藤色になり、あっさりとした上品な味に仕上がる。
パン屋や和菓子屋への卸専門だったが、直史さんが8年前、「お客さまの生の声を聞きたい」と直売店を工場の一角に開設した。おはぎやういろう、ようかんなどを販売し、繁忙期は1日約500人が訪れる。
あんこは約10種類をそろえ、一番人気の「あまおう」を使ったいちご餡のほか、なると金時いも餡やマロン餡が店頭に並ぶ。直史さんは「来年で創業70年。今後も原料にこだわった商品を提供したい」と意気込む。
午前9時半~午後5時。日曜定休。同店TEL078・991・0157
(川崎恵莉子)
