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閉鎖されることになった祈祷室=姫路市西駅前町(2018年5月)
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閉鎖されることになった祈祷室=姫路市西駅前町(2018年5月)

 神姫バスが山陽電鉄姫路駅(兵庫県姫路市)前に開設しているイスラム教徒向けの「祈祷室」がビルの改修工事のため、今月末に閉鎖される。元々「期限付き」としていたが、姫路城に観光で訪れるインバウンド(訪日外国人客)や近隣に暮らすイスラム教徒にも浸透していた。移転や再開の予定はなく、関係者から残念がる声が出ている。

 祈祷室は2018年4月に神姫バス本社ビル1階の「はりまサイクルステーション」(姫路市西駅前町)を改装して開設。10人が入れるほどの広さで、天井には聖地メッカの方角を指す矢印が張られている。

 同社の集計では、月平均で100人以上の利用があり、国籍別ではバングラデシュやマレーシア、インドネシア人が多い。インバウンドの利用を想定していたが、マットの無料貸し出しや、祈りの前に体を清めるための洗い場が好評で、利用者の約7割を近隣のイスラム教徒が占めた。

 現在、姫路市は19年度までの3カ年で「民間交流から始まるインドネシアおともだちプロジェクト」を推進中。イスラム教徒の食文化ハラールや、祈りの習慣への理解を深めるなどの事業を進め、同国からの誘客促進を目指してきた。神姫バスも協力し、祈祷室を開設していた。

 改修工事は今年10月頃までだが、その後も内装工事が半年ほど続く。当初は移転の検討もあったが駅周辺に適した場所がなかったという。工事後の再開設も、担当者は「フロアの一部が使えない場合、新規のテナントを呼び込みづらくなる」と厳しい見方を示す。

 現状、市内にはハラール対応の飲食店が数店舗あるが、「礼拝の場」はこの1カ所のみ。インドネシアのバンダ・アチェ市観光親善大使を務める田中慶秀さん(74)=明石市=は「イスラム教徒にとって1日5回ある祈りは日常生活の一部。海外でも礼拝所は社会の公共インフラとして広がりつつある中で、閉鎖は残念」と話す。

 市地方創生推進室は「姫路にイスラム教徒の方を受け入れる拠点として重要な場だった。民間から自主的に取り組む事業者があればありがたい」としている。(地道優樹)

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