姫路

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檀家らに迎えられた帰山式で、水行に臨む福田善行さん=姫路市香寺町中寺
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檀家らに迎えられた帰山式で、水行に臨む福田善行さん=姫路市香寺町中寺
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檀家らに迎えられた帰山式で、水行に臨む福田善行さん=姫路市香寺町中寺
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檀家らに迎えられた帰山式で、水行に臨む福田善行さん=姫路市香寺町中寺

 「世界三大荒行」に数えられる日蓮宗の荒行を終え、兵庫県姫路市香寺町中寺の醍醐寺住職、福田善行さん(39)が帰山した。千葉県市川市にある大本山で100日間におよぶ水行と、読経ざんまいの日々。16日の帰山式で檀家らに迎えられた福田さんは、精悍な顔つきで「これからこのお寺は生まれ変わり、新たなスタートを切る」と宣言した。

 日蓮宗の荒行は約4世紀続く伝統。法華経寺(市川市)で毎年11月1日から翌年2月10日にかけて、全国から志願した100人前後の僧侶が、寝食を共にする。

 その一日は午前3時の水行に始まる。真冬の暗闇。繰り返し冷水を浴びつつ唱えるお経は「まさに命を削りし、魂の叫びなり」(福田さん)。深夜11時に7回目の水行を終えるまでの間は、ひたすら読経で声を張り上げる。食事は朝夕の2回、かゆをすするだけ。声がかれ、足は腫れ、ときに意識が薄れる。

     ◇

 福田さんが荒行に臨むのは3回目。2003年度に「初行」、11年度に「再行」を果たした。荒行は僧侶に課された義務ではなく、祈とうの幅を広げたい者だけが志す。もう一度行くべきか。福田さんは「決めるのに何年も悩んだ」。

 荒行は経験回数で会得する「秘法」が決まっている。3回目の「参行」は「大古久相伝」。七福神の大黒天から、より大きな恵みを受けるための修行になる。

 福田さんは、この大古久相伝にこだわった。

 醍醐寺は万治2(1659)年創建。親戚にあたる先代が長い闘病の末に亡くなり、08年、大阪で修行中だった当時27歳の福田さんが継ぐことに。

 昭和初期までは祈願寺として繁栄していたという同寺。檀家らの協力を仰ぎ、約10年かけて本堂や庫裏の改修が進んだ。「檀家さんが胸を張れる、本来の醍醐寺に戻したかった」と福田さん。本堂には、安産や育児の神とともに、立派な大黒天像を安置する。

     ◇

 荒行は「参行」の僧侶が仕切っていく習わしで、福田さんは読経の要を託された。終日、お経を途切れさせてはいけない。117人を束ねながら、読み慣れていない「初行」の僧侶にも目配りした。

 荒行をともにした妙栄寺(明石市)住職の山口顕慎さんは「元から細い体がみるみる骨と皮になっていく」福田さんを心配したが、「福の神の秘法を受ける者らしく、優しい顔で居続けた」と感心する。

 あと2回。「五行」で皆伝となるが、福田さんはこれを最後と決めていた。

 同じ姫路市でも、御立の出身。「外から突然入って来た若造を温かく迎え、支えてくれた。これからは、ご縁のある人たちに少しでも多くの幸せを届けていくのが役目」

 16日の帰山式。境内では、福田さんや山口さん、常照寺(たつの市龍野町福の神)副住職の谷口慈晃さん(37)ら荒行を乗り越えた兵庫県内7人の僧侶が、おけになみなみ張った水を何度も頭からかぶった。お祝いに駆けつけた僧侶がねぎらう。「けさの雨は、大黒さまが降らした宝そのもの」。深いおじぎから直った福田さんの表情は晴れていた。(井上太郎)

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