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「来られなかった妻にも見せたい」。碑に刻まれた長女愛子さんの名前を携帯電話で撮影する泊広志さん=宝塚市小林(撮影・風斗雅博)
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「来られなかった妻にも見せたい」。碑に刻まれた長女愛子さんの名前を携帯電話で撮影する泊広志さん=宝塚市小林(撮影・風斗雅博)

 自分で選んだえんじ色の振り袖を着て、ほほ笑む娘。それが最後の姿になった。地元で成人式を終えたばかりの長女愛子さん=当時(20)=を兵庫県宝塚市で亡くした同県南あわじ市の自営業泊広志さん(70)。宝塚市小林のゆずり葉緑地で、娘の名が刻まれた碑の除幕に立ち会い、愛子さんに思いをはせた。

 高校卒業後、宝塚のスーパーで事務員として働き始めた愛子さん。「まじめすぎる子やった。『愛子は放っておいても大丈夫』ってよう言うとった」。震災の2日前、同県南あわじ市の成人式に参加した娘に「もう1日ゆっくりしたら」と提案したが「仕事があるから」と断られた。「あと1日だけ、おってくれたら。それも運命なんかな」。悔しくて、今でも声が詰まる。

 愛子さんは阪急山本駅近くの木造2階建ての寮に住んでいた。地震で寮はつぶれ、はりの下敷きに。約1週間後に息を引き取った。

 もっと甘えてほしかった。一緒にお酒を飲みたかった。「ないものねだりばっかりやなぁ」。目に涙がたまる。銘板に刻まれた名前は「娘がここで頑張って働いていた証し」。手を合わせ、「祈る場所がやっと宝塚にできた」とほほ笑んだ。(名倉あかり)

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