防災 防災 ひょうご防災新聞

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

■脅威の過小評価を懸念

 南海トラフ地震に伴う30年以内の津波発生確率は、発生の可能性が比較的高い地震に焦点を絞り、現実的な津波の脅威を示したと言える。ただ、これまでに政府や各自治体などが公表してきた最大クラスの津波よりも規模が小さい津波を評価しているため、兵庫県内の自治体からは「津波の過小評価につながる」と危惧する声も上がる。3メートルの津波でも木造住宅なら全壊する威力を持つ。1メートルでも命を奪われる。専門家は「いま一度、命を守る行動の点検を」と訴える。災害弱者の避難対策や被災時の「受援計画」策定を積極的に進めることが求められる。

 「住民に誤解が生まれるのではないか」。南あわじ市危機管理課の担当者は戸惑いをあらわにする。政府の地震調査委員会が初めて公表した津波の発生確率で、同市の「紀伊水道」側地域で高さ3メートル以上の津波が「6~26%未満」の高い確率となった。一方、5メートル、10メートル以上の津波は他の県内市町と同じ「0~6%未満」と評価された。

 兵庫県の想定では、最悪の場合で同市に最大8・1メートルの津波が襲来するとしてきた。家屋の耐震化や防潮堤などの構造物で防ぐのは難しく、同市は浸水想定区域の福良地区や阿万地区などで高台への避難経路をカラー舗装し、住民に避難場所の確認などを促してきた。南あわじ市の担当者は「住民には津波は30センチでも1メートルでも危険と周知してきた。津波の脅威は変わらないことを引き続き伝えていく」と気を引き締める。

 県内では津波が高さ5メートル、10メートル以上が押し寄せる確率が非常に高い「26%以上」と評価された場所はなかったが、ひとたび起きればハード面での対策では太刀打ちが難しい。ソフト面を重視し、身一つで逃げる避難が鍵を握る。だが、「誰もが助かる」ための態勢づくりは道半ばだ。

 避難に支援が必要な高齢者や障害者らの情報を記した「避難行動要支援者名簿」が、自主防災組織などの地域団体に提供された割合は県内41市町で3割。要支援者の避難手順を定める「個別支援計画」に至っては1割にとどまる。災害時に他の自治体から応援職員やボランティアなどを受け入れるための受援計画の策定は、県内で10市町のみ。西宮や淡路市など、津波が想定される自治体でも未策定で、人員不足などが足かせになっているとする。

 兵庫県立大大学院の阪本真由美准教授(防災教育)は「3メートルの津波でも安心できないと受け止めるべきだ。命を守るため、避難行動の大切さを行政も住民もあらためて意識してほしい」と呼び掛けている。(金 旻革、竹本拓也)

防災の最新
もっと見る

天気(2月26日)

  • 14℃
  • 10℃
  • 50%

  • 10℃
  • 6℃
  • 60%

  • 14℃
  • 9℃
  • 60%

  • 13℃
  • 8℃
  • 50%

お知らせ