社説

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 兵庫県内にも数多くの作品がある世界的建築家の安藤忠雄さん(78)が、今年の神戸新聞平和賞を受ける。

 建築は独学し、原点となった大阪の「住吉の長屋」や「光の教会」、県内の姫路文学館や県立美術館、米国のピューリッツァー美術館などを手がけた。

 打ち放しコンクリートの活用で知られる。「誰にでも入手可能な材料・工法で、誰にもできないものを」。素朴な動機が個性的な作品を生み出した。

 阪神・淡路大震災では震災遺児の支援などに携わった。現在進めるのは、大阪と神戸に子どもの図書館を開設する計画だ。挑戦心を忘れない姿勢が、建築界を超えて影響を与え続ける。

 文化賞の藤田佳代さん(77)は舞踊家・振付家として、兵庫県を拠点にモダンダンスの創作と普及に尽くしてきた。

 ロンドンとロサンゼルスへの留学後、1978年に舞踊研究所を設立した。発表会や創作実験劇場を精力的に開き、震災や戦争を題材にした精神性の高い作品に取り組んできた。

 加えて知的障害のある子どもたちの指導に力を入れるなど、その活動範囲は深く広い。

 社会賞はコミュニティ・サポートセンター神戸に決まった。震災後にできたボランティアグループを母体にして発足した。99年、県内で初めてNPO法人として認証された。

 自立と共生の地域社会を目指し、自ら活動する人や団体を支え、人材を養成してきた。

 今年1月、神戸市灘区の公園に地域共生拠点「あすパーク」を開設した。新たな支え合いの活動にも注目したい。

 関西学院大アメリカンフットボール部の前監督、鳥内秀晃さん(61)は、スポーツ賞にふさわしい名将だ。

 28年にわたってチームを指揮し、学生王者を決める甲子園ボウルの制覇は12回に及ぶ。2002年にはライスボウルで社会人に勝利し、チームを日本一にした。自身最後となった昨年末の甲子園ボウルも制した。

 関西のアメフト人気を支えてきた功績も大きい。

 受賞される兵庫ゆかりの方々は全国、世界にも誇れる業績を上げてきた。さらなる挑戦にも期待しつつ祝辞を贈りたい。

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