社説

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 兵庫を含む7都府県を対象に、新型コロナウイルス特措法に基づく最初の緊急事態宣言が出されてから1カ月が過ぎた。

 宣言は全国に拡大されたが、多くの国民の外出自粛で懸念されたオーバーシュート(爆発的患者急増)は免れている。新たな感染者数も減少傾向にある。安倍晋三首相は解除の基準を作成する考えも示した。

 だがここで油断すると新規感染者数が増加に転じかねない。予断を許さない状況に変わりはない。

 海外では依然、感染者数が急増する地域が目立つ。日本が流行の第2波に見舞われ、深刻な被害が出る恐れも否めない。国内で感染の勢いが弱まっているうちに医療体制の整備を急がねばならない。

 重要なのがPCR検査だ。人口10万人当たりの件数は約190件と、先進国の中では見劣りする。もっと増やさないと感染の正確な全体像が把握できず、封じ込めによる正しい出口戦略も描けない。

 政府の専門家会議は、重症急性呼吸器症候群(SARS)などの感染者が国内で出ず、新感染症に対する検査態勢が整わなかったなどとしている。韓国がSARSなどの経験を踏まえ、検査態勢を充実させてきたのとは真逆である。

 現在の検査は多くが保健所経由だが、保健所は感染経路の追跡や通常の公衆衛生関連など多くの任務を抱える。近年の統廃合で職員数も減っている。検査数を増やすには新たな枠組みを構築する必要がある。

 他の都府県では医師会などと連携した検査センターが設置されており、兵庫県も関係機関と協議を進めている。早期に実現してもらいたい。大学などの研究機関も含めた検査機器や人材の確保も重要だ。

 厚生労働省は、感染が疑われる人が専門外来を受診してもらう目安を見直す方針を明らかにした。現行の「体温37・5度以上」にこだわらず、高熱や強いだるさなどを感じたら相談する案を検討している。

 軽症と思われても急速に重症化するケースが後を絶たない。国民の命と健康に関わる問題である。厚労省は医療現場の実態を見据えて早急に見直さねばならない。発熱が4日以上とする目安も患者らを戸惑わせており、併せて削除すべきだ。

 専門家会議は「新しい生活様式」を示した。マスク着用や手洗いなど既に指摘された内容が主だが、気を緩めて基本的な策をおろそかにすれば感染が再燃するとの警鐘と受け止めるべきだろう。

 助かる命を救うには何をするべきか。政府はこうした視点に立って、体制充実を図らねばならない。

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