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 兵庫県内で新型コロナウイルスの感染者が初めて確認されて1カ月がすぎた。感染者は増え続けており、最大限の警戒が必要だ。

 感染確認は3月30日午後までに140人に迫り、東京、大阪、北海道などに続いて全国で6番目に多い。死者11人はいずれも70歳以上で、最多の愛知の19人に次ぐ。

 懸念されるのは高齢者施設や医療機関での集団感染が複数みられることだ。伊丹市の介護施設では職員やデイケア利用者、家族など関係者に50人以上の感染者が出ており、死者も半数以上が集中する。

 介護施設は人の出入りが多く、感染拡大につながりやすい。利用する高齢者は持病を抱える人も多く、感染すると重症化するリスクが高い。現場の人手やマスクなど物資の確保も課題となる。

 施設が休業する事態となれば、一般の利用者が行き場を失い、家族の負担が大きくなる恐れがある。

 千葉県では障害者福祉施設で90人を超える集団感染が発生した。こうした施設で感染が広がったときの影響は甚大だ。感染を徹底的に防ぎつつ、感染者が出ても必要なサービスを維持するにはどうすればいいか。行政と事業者は事例を検証し、地域の福祉と医療を守る仕組みを整えねばならない。

 今回のウイルスが手ごわいのは、無症状の感染者が拡散するケースがあることだ。

 県内では1日当たりの感染判明数が一時2桁に達し、現在も予断を許さない。さらに、これは表面的な数字にすぎない。未確認の感染者集団が潜んでいて、突然急拡大しても不思議でない。

 有識者らで構成し、先週開かれた県の対策協議会では、一部の感染症指定病院に患者が集中し、スタッフを含めた集中治療室(ICU)の体制維持が厳しくなりつつあることが明らかにされた。そのしわ寄せで、一般の救急患者受け入れに支障が出始めているという。

 重要なのはイタリアやスペインのような医療崩壊を防ぐための備えを整えることである。一般病院も含めた医療機関の役割分担の明確化と検査の拡充を急ぐべきだ。

 東京や大阪では感染経路が不明なケースが大幅に増えている。先日、国民的コメディアンの志村けんさんが亡くなり衝撃が走った。国内での感染者は2千人を超え、事態は厳しさを増している。

 手洗いなどを徹底し、三つの「密」を避ける。不要不急の外出や会合を自粛し、人口密集地との往来を控える。とりわけ若い世代の心掛けが多くの人の命を救うことを肝に銘じ、長期戦に臨みたい。

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