社説

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために政府が要請した全国一斉休校が、新学期から実質解除されることになった。学校再開へ向けた文部科学省の指針を受け、各教育委員会が検討に入った。

 兵庫県内では既に加古川市や稲美町などが、4月7日から公立小中学校と特別支援学校を再開することを決めている。

 突然の休校に加え、先の見えない休校延長で、児童、生徒、保護者は不安やストレスを募らせるばかりだ。子どもの居場所も十分でなく、共働き家庭からは「もう無理」との声が上がる。国の方針転換にほっとしている人は多いだろう。

 とはいえ、都市部を中心に感染者は増えており、警戒を緩めてはならない。自治体は地域の状況を踏まえ慎重を期した上で、学習機会を保証する観点から、柔軟に各学校の再開時期を判断してほしい。

 国は感染状況の情報や専門家の知見を自治体に提供するのはもちろん、教育現場ができるだけスムーズに日常を取り戻せるよう、支援態勢を整えねばならない。

 文科省は指針で、学校での「密閉」「密集」「密着」を避けるために、教室の換気や消毒、マスク着用、家庭と連携しての検温などを要請している。

 万全の感染予防策を講じるのは言うまでもないが、品薄が続くマスクの確保を家庭任せにするなど課題が残る。消毒液や体温計の不足を心配する学校も多い。国は備品確保に陣頭指揮を執るべきだ。

 気がかりなのは、再開後に子どもや教員らの感染が確認された場合の対応である。

 指針は、都道府県の衛生部局と相談しながら感染者や濃厚接触者だけを出席停止とするか、再休校や学級閉鎖とするかを自治体が判断するとしている。混乱が生じないよう、国が一定の基準を設けてはどうか。

 学習の遅れをどう取り戻すかも大きな課題だ。万が一、再休校や学級閉鎖になったり、現在の休校がさらに延長されたりすれば、遅れは一層深刻になる。

 現状のような家庭学習頼みには限界があり、生活リズムを保つのが難しい。家庭の事情による格差も懸念される。

 対策の一つとして、オンライン授業を可能にする環境整備を急ぎたい。国は全国の小中学校で進めるタブレット端末やノートパソコンの整備を前倒しするべきだ。

 通常でも年度初めは忙しく、教員の過重労働を招きやすい時期だ。事務職員を学校に派遣して業務負担を軽減するなど、教員が授業に集中できる支援も欠かせない。

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