社説

  • 印刷

 新型コロナウイルスの感染者が、東京で急増している。

 小池百合子都知事は25日、「オーバーシュート(爆発的患者急増)を防ぐ重大局面」と述べ、平日の自宅勤務や今週末の外出自粛などを都民に呼び掛けた。首都圏など周辺各県の知事らも今週末の東京への移動や外出の自粛を県民に要請して足並みをそろえた。

 「首都封鎖」という事態になれば、社会や経済に与える影響は計り知れない。「一極集中」の弊害を露呈することになるだろう。

 東京には各地からの往来も絶えないだけに、全国規模で緊張感を持って対応する必要がある。

 東京で確認された感染者は1日に40人を上回り、都道府県による1日の発表人数としては最多となった。厚生労働省が試算した都内の感染者の増加ペースを上回っている。

 さらに都の危機感を高めたのは、感染源が不明なケースが日に日に増えている点だ。直近の海外渡航歴も散見されている。

 急増の要因には、帰国者を起点とした未確認のクラスター(感染者集団)の存在が指摘される。

 世界では感染者が40万人を超え、パンデミック(世界的大流行)が加速している。米国やイタリア、スペインなどでは、既にオーバーシュートが発生した。都市の封鎖も相次いでいる。

 人口が密集する東京でクラスターが大規模なメガクラスターを誘発し、医療崩壊の危機に結び付くオーバーシュートにつながる-。早くから指摘されていた最悪のシナリオが現実化し始めているのではないか。

 政府はきのう、新型コロナウイルス特措法に基づく対策本部を設置した。本部長である首相は、私権制限につながる「緊急事態宣言」を発令できる。そうした事態に陥らないように、社会全体が拡大封じ込めを意識した行動をとるべきだ。

 兵庫の感染例はきのう120に達した。警戒感を高める局面である点は変わらない。

 県は31日まで不要不急の外出自粛を県民に要請している。専門家などで構成する県の対策協議会は「無症状の感染者から気づかないうちに拡大し、突然オーバーシュートする恐れがある」と警鐘を鳴らす。東京のような感染急増が兵庫で起こらないという保証はないことを、県民全体で認識しておきたい。

 クラスター発生の3条件である「密閉」「密集」「密接」が重なる場所へは出かけない。手洗いなどを徹底する。栄養や睡眠を十分にとる。生活の中で、基本的な感染拡大防止策を一人一人がこれまで以上に意識して励行する必要がある。

社説の最新
もっと見る

天気(6月8日)

  • 28℃
  • 18℃
  • 0%

  • 31℃
  • 13℃
  • 0%

  • 31℃
  • 18℃
  • 0%

  • 33℃
  • 16℃
  • 0%

お知らせ