社説

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 兵庫県内で新型コロナウイルスの感染が急速に拡大している。感染者の小規模集団「クラスター」も相次いで発生し、対策の強化が求められる。

 県内初の感染が確認された今月1日から2週間余りで感染者は80人を超え、複数の死者が出ている。北海道、愛知県、大阪府など感染者が多い他の道府県と比べても、ここ最近の増加ペースは目立っている。

 クラスターへの対応が遅れれば、連鎖が生じ大規模な感染につながりかねない。早期発見と封じ込めが感染拡大を抑制できるかどうかの鍵となる。

 厚生労働省は、クラスターの分布を示す全国マップを作り、ホームページで公表を始めた。17日正午時点で5人以上の感染者が確認された8都道府県の計13カ所を掲載しており、兵庫県は全国最多の3カ所ある。

 懸念されるのは、患者が重症化しやすく、地域医療にも影響が及ぶ高齢者施設や医療機関が含まれていることだ。他にも感染が広がる医療機関などが複数ある。「全国的に見てもかなり悪い状況」と指摘する専門家もおり、最大限の警戒が必要だ。

 濃厚接触者を洗い出し、疑わしい場合は速やかに検査する。今、こうしたことに徹底的に取り組むべきだ。

 和歌山県の取り組みがヒントになる。同県では2月、県北部にある病院で院内感染が判明した。検査能力に限界がある中、大阪府にも協力を要請し、検査の網を広げた結果、関係者全474人の検査を2週間足らずで完了させ、外来診療の早期再開にこぎ着けた。

 併せて重要なのが、医療崩壊を回避するため、本格的な流行に備えた医療態勢を早急に整備することだ。

 現在、感染者は軽症や無症状でも原則として指定医療機関に入院することになっているが、感染者が急増すれば病床が足りなくなる恐れがある。このため大阪府は、重症度に応じて入院先を割り振る司令塔組織を設置し、指定医療機関のほか、一般病院、宿泊施設などを利用してもらうよう準備を進めている。

 兵庫県も近隣府県と情報を共有し、検査の拡充や医療機関の役割分担の明確化など対応の見直しを急がねばならない。

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