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 関西電力役員らの金品受領問題を調査してきた第三者委員会が報告書を出した。高浜原発が立地する福井県高浜町の元助役(故人)からの金品受領者は75人、総額計約3億6千万円と、いずれも2年前の社内調査を上回り、問題の根深さを示した。

 消費者目線のコンプライアンス(法令順守)意識が全くなく、内向きの企業体質であると、第三者委は断じた。外部からの会長起用も提言している。

 関電は岩根茂樹社長の辞任と森本孝副社長の昇格を発表した。報告書を重く受け止めて、根本的に組織風土を刷新しなければならない。

 問題は2年前、高浜町の建設会社が国税当局の税務調査を受けたことから発覚し、幹部らが元助役から多額の現金や商品券などを受領していたことが明らかになった。八木誠前会長や岩根社長、豊松秀己元副社長らも受け取っていた。

 第三者委は元助役の行動を、自らが関係する会社に関電の工事を発注させ、利益を得るためだったと結論づけた。原発建設反対の地元勢力の抑え込みなどにも尽力して、関電への影響力を強めたとも指摘した。

 消費者が支払った電力料金が、私利私欲に使われていた。原発マネーの闇もいっそう深まった。元助役との不適切な関係を、組織として絶とうとしなかった関電の姿勢には、公益企業として社会的責任を負っている自覚が見いだせない。

 第三者委の調査では、国税当局の指摘で所得を修正申告した豊松元副社長らの税負担分を、関電が役員退任後に補てんすると決めていたことも判明した。

 電力契約者や株主らに理解を得られるとは思えない。関電は高浜原発1号機の再稼働を目指しているが、再稼働には安全性だけでなく、経営の透明性や地元の理解を積極的に得ようとする姿勢も不可欠だ。そのことを認識する必要がある。

 第三者委の調査は踏み込んでおり、「不正な工事発注があった」とした点は評価できる。だが、違法性などを明確にするには司直の手に委ねるしかない。

 八木前会長ら12人の告発状を、市民団体が大阪地検に提出している。検察は関係者の刑事責任を徹底的に究明すべきだ。

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