社説

  • 印刷

 昨年から協議が続いてきた旧民主党系の立憲民主党と国民民主党の合流が当面見送られることになった。

 党名や合流方式、基本政策で歩み寄れず、かえって溝の深さを露呈した。党内抗争に明け暮れ、自滅した旧民主党の姿が思い起こされる。

 共同通信社が1月に実施した全国電話世論調査で、両党の合流に「期待しない」との回答は69・3%に上った。有権者の失望を深めた責任を両党は重く受け止めるべきだ。

 合流は昨年12月、立民の枝野幸男代表が呼びかけた。これまで合流に慎重だった枝野氏の方針転換は、両党とも支持率が低迷し、このまま次期衆院選に臨めば共倒れになるとの危機感からにほかならない。

 ところが枝野氏は、立民主導の吸収合併にこだわり、国民側の対等合併などの要求をはねつけた。協議を打ち切った後の国会代表質問で「他の野党と力を合わせ、政権交代を実現する」と表明したものの、かつての仲間との合流もまとめきれない野党第1党に政権交代への期待が高まるはずもない。

 一方、国民の玉木雄一郎代表は立民の掲げる「原発ゼロ」政策を受け入れなかった。再稼働を容認する電力総連の組織内候補を抱え、党内の反対を抑えられなかったためだ。

 原発事故を経験したこの国で、脱原発と再生エネルギーへの転換を掲げる政党は、原発再稼働を進める現政権との明確な対立軸となりうる。一つの政党となって政権交代を目指すなら、党内を説得する見識と決断力を発揮すべき場面だった。

 それぞれがメンツや党内事情にとらわれ、大局を見失ったと言わざるを得ない。野党を取り巻く厳しい状況を自覚しているのだろうか。

 先の世論調査では「桜を見る会」の私物化疑惑を巡り、安倍晋三首相が「十分説明していると思わない」との回答が86・4%に上った。統合型リゾート施設(IR)事業に絡む汚職事件を受け、70・6%がIR整備を「見直すべきだ」と答えた。

 それでも内閣支持率は49・3%に回復している。立民の支持率は6・9%、国民は1・6%にとどまり、上向く兆しは見られない。多くの有権者が現政権に対して不満を抱きながら、野党には期待を向けていないことが分かる。

 昨年の臨時国会では、両党が社民党などを含む統一会派を組み、政権の疑惑追及で一定の成果を上げた。今国会でも「桜」やIR汚職への疑念はさらに深まっている。

 長期政権の緩みをただす野党の責任は重い。国会論戦では他の野党とも連携し、政権監視を強める必要がある。併せて合流に向けて理念と政策を共有する協議を継続すべきだ。

社説の最新
もっと見る

天気(4月1日)

  • 17℃
  • ---℃
  • 80%

  • 17℃
  • ---℃
  • 90%

  • 17℃
  • ---℃
  • 80%

  • 17℃
  • ---℃
  • 90%

お知らせ