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 昨年7月の参院選で当選した124人の資産報告書が公開された。株式を除く預貯金などの金融資産と土地、建物を合わせた資産をゼロとした議員が、現行の公開方式となって以降、過去最多の24人となった。平均額でも3年前の前回から37・8%減少し、過去最低の1861万円となった。

 普通預金や家族名義の資産は対象外など抜け道が多く、実態を反映しているとは言い難い。

 相次ぐ閣僚の辞任や安倍晋三首相主催の「桜を見る会」などで政治とカネに対する国民の視線は厳しく、透明性を高めるための見直しが求められる。

 「資産ゼロ」は、預貯金や株式以外の有価証券、土地、建物の合計額が全くないケースだ。2011年12人、14年21人、17年15人と増加傾向にある。

 商法改正による額面株式廃止に伴い、株式は銘柄と株数だけを申告するようになった05年公開以降、今年は最多となった。

 今回の24人には兵庫選挙区の2人も含まれ、公開したほぼ5人に1人に相当する。新人が約67%に当たる16人に達した。

 平均額が過去最低となったのは、実業家などとして突出した資産を持つ議員が少なかったことに加え、「ゼロ」議員の増加が全体を引き下げた形だ。

 国会議員の資産公開制度は1993年に始まった。対象は任期開始日の本人名義の資産に限っており、普通預貯金や当座預金、自宅の金庫で保管する現金は報告しなくてもよい。

 不動産も固定資産税の課税標準額で算出されるため、実勢価格とは開きがある。申告内容を証明する資料の提出も求められない。

 国会議員の場合、配偶者や扶養する子どもの資産も対象となる閣僚の資産公開と比べ、盲点が多いのが実情だ。虚偽申告に対する罰則もなく、制度の形骸化が指摘されている。

 「桜を見る会」の疑惑や公選法違反が疑われた2閣僚の辞任、さらにカジノを含む統合型リゾート施設(IR)汚職などで、政治に対する国民の不信は高まるばかりだ。

 政治倫理が厳しく問われている今こそ、疑問を持たれることのないような資産公開制度に改めなければならない。

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