社説

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 中国・武漢に端を発し、世界各国に広がる新型コロナウイルスの感染が、日本人にも広がった。感染した人から人へとうつる、いわゆる二次感染の発生だ。

 中国ではすでに確認されているが、日本では初の事例である。武漢への渡航歴がない奈良県のバス運転手で、武漢からの団体旅行客を乗せ長時間運行したことが感染につながったようだ。

 今回のウイルスは、無症状の感染者が多いとされる。日本国内の感染者が増える可能性も否めない。

 政府は新型ウイルスによる肺炎を、患者の強制入院や就業制限ができる「指定感染症」とする閣議決定を行った。封鎖された武漢から、チャーター機による邦人の引き揚げも始めた。

 国内での感染拡大を食い止めるため、政府や自治体は入院治療などの専門的な医療態勢を整える必要がある。同時に国民一人一人も予防の意識を高めたい。

 中国政府のきのうの発表では、国内の感染者数は約6千人と、2002年から翌年にかけ大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を上回った。感染は国の全域に広がり、死者も100人を超えている。

 当初、習近平指導部は情報公開などに消極的だったが、ここにきて武漢の周辺都市も封鎖するなど、対策に全力を挙げ始めた。

 しかし春節が重なり、武漢では市民の半数近くが封鎖前に市外に出たとされる。中国国内の封鎖や、各国の水際での検疫だけでは封じ込めは難しい状況だ。

 世界全体の感染者は6千人を超えており、感染の食い止めに各国が連携を強化せねばならない。

 現段階では、新型ウイルスの感染力はインフルエンザ程度とされる。中国以外では大半の感染者は重症に陥っておらず、病原性も高くない。ただ感染を重ねて感染力や病原性が高まる可能性もある。

 マスク着用や手洗い、うがいを怠らず、栄養や睡眠を十分にとる。かぜやインフルエンザ予防と同様の対策を心掛けたい。

 兵庫県は、県内で感染が確認されれば神戸、尼崎、姫路、豊岡、洲本など計九つの指定病院への入院を想定しており、50床を確保している。疑わしい症状があれば最寄りの医療機関や保健所、国や県が設けた相談窓口に照会することが重要だ。

 ネット上では新型肺炎について、真偽のあやふやな情報が散見される。過剰な恐れが社会に広がれば、こうした情報を独り歩きさせる素地にもなる。

 正しく恐れ、適切な対策を講じることで、沈静化につなげたい。

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