社説

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 スペインで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が大きな進展なく終了した。

 主要議題だった「パリ協定」の実施ルール作りは合意に至らなかった。全ての参加国が自主的な目標を掲げて温室効果ガスの排出削減に取り組む協定は来年1月、課題を抱えてのスタートとなる。

 排出削減目標の水準引き上げでも成果は乏しい。義務化につながる直接的な表現は採択文書に盛り込めず、引き上げを促す内容にとどまった。

 会期を2日延長した協議で浮き彫りになったのは、地球温暖化に向き合う各国の姿勢の違いだった。実効ある仕組みを作るには、まず暴風雨や干ばつなど世界で多発する気候危機への認識を共有する必要がある。

 パリ協定は、産業革命前からの気温上昇を2度未満、できれば1・5度に抑えることを目標とする。だが、目標を達成するための削減量と各国の取り組みとの開きが年々拡大している。削減量の上積みは待ったなしの状況にある。

 各国には来年、削減目標の再提出が求められ、80カ国程度が目標引き上げを表明している。欧州連合(EU)はCOP25において、2050年に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を公表した。

 だが、排出量の多くを占める中国、米国や日本などは引き上げの意向も示していない。責任感に乏しいとの指摘は免れない。世界第5位の大排出国である日本は石炭火力発電の施策でも国際的な評価を下げている。

 国連のグテレス事務総長は石炭火力の新設禁止を呼び掛ける。だが、日本は先進7カ国で唯一、石炭火力の新設にこだわり、発展途上国での建設支援を続ける。会議で演説した小泉進次郎環境大臣は方針転換に言及できず、批判の的になった。

 世界の「脱石炭」の流れに逆行する姿勢を改めない限り、信用は得られない。日本に向けられる厳しい目と向き合い、排出削減と石炭火力の転換に向けた議論を急がねばならない。

 対策を強化しない場合の災害や経済のコストも分析し、遅れている自然エネルギー拡大の方策に力を入れるべきだ。

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