日曜小論

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 思わず頬が緩んだ人も多いかもしれない。

 ニュージーランド議会で恰幅(かっぷく)のいい男性議長が生後6週間の赤ちゃんをあやしながら議事進行する様子が報じられた。何でも、育休明けの男性議員が連れてきたベビーなのだとか。

 議長のツイッターの文言が振るっている。「議長席は普段議長だけが使うが、今日はVIPと一緒に座った」。おお、どこかの国のオレ様大統領が繰り出す罵倒ツイートとは大違いではないか。

 ニュージーランドといえば首相が昨年6月に長女を出産し、6週間の育休を取った。9月には赤ちゃんとパートナーの男性と一緒に米ニューヨークでの国連総会に出席し、話題になった。

 嫌でも思い出すのが熊本市議会の「事件」である。

 一昨年、女性議員が生後7カ月の長男を連れて議場入りしたところ、議長らが「議員以外が入るのは規則違反」と制止した。赤ちゃんを抱いて着席する議員に何人かの男性たちが退席を迫る様子は、何とも異様だった。

 赤ちゃん連れOKの職場を増やせ、と言いたいわけではない。安心して預けられる場を充実させるのが先決だと思う。ただ、つくづく感じるのだ。働く母親に対する、何ともいえない冷たさを。

 女性市議の行動には批判もある。「ルール違反はけしからん」「パフォーマンスだ」。この市議は子どもを預ける先がなく、以前から「保育園整備やシッター助成を」と訴えていたが、却下された。

 現行ルールでは立ちゆかないから変えてほしいという切羽詰まった行動を、ルール違反と切って捨てるばかりでは何も変わらない。第一、政治家にとってパフォーマンスは大事では? 社会を変えうるメッセージになるのだから。

 ニュージーランドの政治家たちの行動は、働く男女やこれから生まれてくる子どもらへの「応援歌」のようだ、というのは大げさだろうか。

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